ラルロからの便り−1(Domaine de l'arlot)

ドメーヌ・ド・ラルロは弊社の定番ドメーヌの中でも特に人気が高く、醸造責任者のオリビエ・ルリッシュさんが私たちと同世代で、さらに、日本にも来てもらったことがあったりして、私たちにとっても特に思い入れのある生産者の一人。


↑収穫中のオリビエ


彼らの2008年ビンテージが…やっと日本に入荷します。


いつもは6月か7月に入荷していたのですが…本当に皆さまお待たせいたしました。
私たちも今か今かと首を長くして待っていましたが、船が9月11日に無事出航したそうです!
11月初旬には、いよいよ各店舗でお目見えとなるでしょう。


…だいぶ先ですね。il||li (-ω-` ) il||li


2008年ワインについては、一昨年の天候が不安定だったことから、オリビエたちはぶどうの摘み取り時期をギリギリまで遅らせたそう。
『ぶどうをいつ摘むか』という問題は、ぶどうの熟し具合・果汁の多少に深く関係しています。つまり、ワインの味わいを左右する礎となる要素なので生産者の皆さんは判断に悩むところなのだそうです。

2008年の8月まではずっと天候が不安定でオリビエたちは毎日気をもんでいたようですが、9月中旬ごろから乾燥した北風が吹きはじめ、ぶどうの熟度がグッと進んだので一安心。ギリギリまで熟度を高めてから9月の27日から一斉にぶどうの収穫に取りかかりました。例年よりすごく遅いです。


また、ぶどうを摘み取った後、彼らはいつもにもまして厳格な選別を行い『小さな果実に厚い果皮』を持った、ワインに適した実のみを残しました。



●2008年の特徴
このビンテージについて際立つポイントは3つ。
(1)生産量が非常に少ない(29hl/ha)。これは収穫時にかなり大量のブドウが収穫時に選別されて取り除かれたことによります。

(2)除梗率が平年より高い。(平均60%。いくつかのワインでは全体の90%のぶどうにおいて除梗が必要でした)

(3)マロラクティック発酵が遅れました。(最終的に終わったのは11月の初旬)。これによりボトル詰めも若干遅れました。


ラルロからのレポートを読むと、例年以上にデリケートな判断と丁寧な作業が要求されたビンテージだったことが伝わってきます。それでも、ほんの少しの妥協も許さない彼らのおかげでワインは素晴らしいものになったそう。

ワインは気候・天候の影響を受けずにはおれない産物ですが、それでも、彼らのように真剣に繊細にたゆみない努力を続ける、すぐれた生産者にはかならずその答えを返してくれるものなのだなぁと思います。そしてこういう話を聞くと、私も彼らのワインを大切に飲もうと、改めて思います。


次回はラルロの個々のアイテムについてのコメントを掲載いたします。

お楽しみに。